漢方は日本の伝統医療

医食同源

日本書紀に記録が残る推古天皇の薬狩り

漢方は、中国の医学術を独自に発展させた日本の伝統医学。6世紀頃に中国から伝来し、奈良時代には医薬術や輸入した薬などで民衆を病から救済しようという寺院があらわれ、東大寺正倉院には当時の薬物が約40種類現存している。

中国の風習に倣って薬狩りも行われ、日本では611年に推古天皇が宇陀地方で薬狩りを行ったという『日本書紀』の記録が最古。以来、宇陀は薬の町として発展し、津村重舎(ツムラ/バスクリン)や山田安民(ロート製薬)ら多数の薬品企業の創業者を輩出している。

奈良県漢方のメッカ推進プロジェクト

世界が注目する日本のハーブ【大和当帰やまととうき

世界が注目する日本のハーブ
大和当帰やまととうき

写真提供:(一社)大和ハーブ協会
当帰はセリ科の多年草で、奈良県を主に日本各地で栽培されてきた。根が生薬に用いられ、主に婦人薬として血の道症などに効果がある。

中でも大和当帰は品質が良いとされているが、栽培に手間がかかるため生産者が減少。現在は奈良県を挙げて栽培拡大に取り組んでいる。

葉は深く鮮やかな緑色でセロリのような香りが特徴。平成24年から、葉の部分が「非医」扱いとなったことから有効利用が注目され、料理のアクセントや香りづけに用いられるほか、お茶や和洋菓子などが次々と考案されている。